久々に夢中で読んだ本♪ 『夏への扉』

ここのところ2か月に一度帰省する新幹線の中が私の唯一の読書タイムです。
いつも文庫本を2~3冊持っていくのですが、きっと根気がなくて飽き性なの
でしょう。どれもこれもを読みかけにしたたまま次の帰省にはまた別の本を
持っていくものだから、中途半端に放り出した本がごまんとあります。
本当にだらしない性格だな~と思います。

今回も3冊持参して、その中の1冊が、先日たまたま本屋で目にして購入した
『夏への扉』 (ロバート・A・ハインライン 著/福島正実 訳/ハヤカワ文庫SF)です。
読み始めたらやめられなくなってしまい、読み終えるのを惜しみながら2~3日で
完読しました。こんなに一気に本を読むのは何年ぶりでしょう。
数年前に読んだ復刻版『マイナス・ゼロ』 (広瀬正 著/集英社文庫) 、十数年前に
読んだ 古典的SF小説『タイム・マシン』(H・G・ウェルズ 著) 以来かな~。
要はいくつになってもタイムマシンものが好きで夢中になるってことみたいです。

この『夏への扉』は日本のSFファンの間では不動の人気がある小説のようです。
山のようにある書物の中からたまたま夢中になれる本に出会えてちょっぴり幸せです。

アメリカで出版されたのが1957年。日本ではその翌年に加藤喬 訳で出版され、
福島正実 訳が出たのは1963年。訳者によっても小説の雰囲気は違ってくるでしょうね。
そして小説の時代設定は1970年であり、主人公が30年間の冷凍睡眠(コールドスリープ)後に目覚めるのが2000年という設定で、小説の中の未来がすでに過去になってしまい
ました。執筆当時に想像した未来と現在を比べるのもまた興味をそそられます。

この小説の面白さはSF的要素ももちろんですが、「夏への扉」があることを信じて
いつも探し続けている主人公の相棒猫ピートの描写です。ほのぼのとしてピカイチ!
文化女中器(ハイヤード・ガール)、窓ふきウィリィ、万能(フレキシブル)フランクといった
愉快なネーミングの自動機械(ロボット)がいろいろ出てくるのも楽しい。
登場人物たちの描写もどこかコミカルでにくめません。そして、30年のときを経て
のハッピーエンドに乾杯です(^^♪

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まど・みちおさんの詩の世界

3月3日、ひな祭り。いくつになっても何となくウキウキする日です♪
夕食はもちろんちらし寿司とお吸い物。
ついつい、小さなロールケーキと桜餅も買ってしまいました(^u^)

先日の2月28日、詩人のまど・みちおさんが104歳で大往生されました。
ニュースを聞いて、まどさんの詩集がとても欲しくなり、昨日確定申告の
提出にとなり町まで出かけたので、本屋さんに寄って買ってきました。
大きな本屋さんが二軒ありますが、一軒目には全く置いてなくて、がっかり。
だめもとで二軒目のジュンク堂へ行くとたくさん置いてあって感激しました!

まどさん

『まどさん100歳100詩集 まど・みちお詩の本』
                  伊藤英治・編          

            


 2010年3月初版 <理論社>   
 【1000円+税】



まどさんは、「ぞうさん」や「やぎさんゆうびん」など童謡の作詞家として
有名ですが、その他にもたくさんの詩を残されました。森羅万象、動物や植物は
もちろん、コップやつけもの石にまで愛しい目を向けた詩がたくさんあります。

でも、戦時中、戦意高揚のために書いた詩があるそうで、そのために晩年
苦しみ、自己批判されていたそうです。(新聞記事による)

私がまどさんの詩に出会ったのは、今から15年ほど前。
母の命があと2か月と突然宣告された時に、たまたま新聞でまどさんの詩を
目にしました。題名も詩も忘れてしまいましたが、地球上のすべてのものが
宇宙の中の一粒なんだよっていう内容だったようにおもいます。死というもの
は、宇宙の中にあってはとても自然なことなんだと思えて、悲しいけれど少し
母の死を受け止めることができました。

ちょっと楽しい、まどさんの詩をひとつ紹介します。

  「まめ」

 豆に「まめ」という
 ぴったりの名まえを
 だれが つけたのだろう

 さっぱりしている
 ひきしまっている
 りっぱというほかはない
 つけたのは 人間ではないのでは?
 と 思われてくるほどだ

 ほんとに それはもう このへんの
 小鳥やけものや 木や草や
 雨や風や きせつまでが
 人間と いっしょになって
 ながいながい時間をかけて
 磨きあげてきた名まえにちがいない

  ヤブマメ
  ツルマメ
  ナタマメ
  タヌキマメ
  ああ いい!

  シロマメ
  クロマメ
  アカマメ
  ウズラマメ
  ますます いい!



図書券があったので、ついつい他にも二冊買ってしまいました。
  「アンパンマンの遺書」やなせたかし 著
  「アンのゆりかご 村岡花子の生涯」村岡恵理 著

つんどく書にしないよう、ちゃんと読まなきゃね^^;

読書の秋 ~ 『小さいおうち』 中島京子 ~

小さいおうち
『小さいおうち』中島京子著 
文春文庫(2012年12月10日 刊)

久しぶりに一冊読み終えました。
昨年の末、本屋で平積みしてあるのをたまたま見かけ、
表紙の装画・装丁と、題名にひかれて買った本です。


米寿を迎えたタキさんが、東京へ女中奉公に出ていたときの日々をノートに
綴っていきます。タキさんが尋常小学校を卒業した昭和5年から終戦までのお話です。


タキさんにとって若くて美しい奥様、可愛い坊っちゃん、旦那様が暮らす赤い屋根の家の
思い出は、女中として仕えたなかで、忘れるに忘れられない懐かしいものです。
みんなが貧乏で、その日を生きるのに精いっぱいだった昭和のはじめ、ここでの暮らしは
とてもモダンでちょっぴり贅沢です。しかし、裕福な家庭にもだんだんと戦争の足音が
忍び寄ってくる様子が、日々の暮らしの描写の合間に綴られていきます。

  戦勝祝いの提灯行列のこと。デパートの戦勝セールのこと。
  昭和15年に日本で開催予定だった万国博覧会、オリンピック東京大会、
  冬季オリンピックが中止や開催返上になったこと。
  パーマネントの禁止。衣料の切符制。飼い犬の供出。灯火管制。
  昭和17年の東京初空襲。総力戦。国防食品。などなど。

戦時色が強まり、生活はどんどん不便になっていきます。ぼっちゃんの小学校は
「国民学校」と名を変え、タキさんは時局に合わせた暮らしを工夫して一家に仕えます。
そんななか、奥様の秘められた恋心にタキさんが気付いてしまうシーンがあります。
それは、生涯タキさんの胸に小さな痛みとなって残り、最終章へもつながっていきます。

最終章がよかったですね。他の章は全部、この最終章のためのプロローグだったのでは
と思うほどです。タキさんの死後、時々タキさんのノートを覗いては生意気な感想を
言っていた甥っ子によって、懐かしい思い出が現代につながっていきます。
そして、空襲で焼けてしまった赤い屋根の家にまつわる意外な事実が見えてきて、とても
せつない気持ちになります。タイトルの『小さいおうち』の意味もここで明かされます。


※余談:情報が少ししかない時代。あったとしても都合のいい情報しか流さない時代。
    多くの人々は、何が起きているのかよくわからないまま、考えることもできない
    まま、気がついたら戦争の渦中に巻き込まれ、協力させられていったのだろう
    なと思います。もし状況を客観的に見ることができても、口に出せばしょっ引か
    れていく時代です。軍部の暴走だったとかいろいろ言えるのは、あとになって
    様ざまな事実を重ね合わせて初めてわかることで、当時は一度回りだしたら
    止まらない狂った歯車のような感じだったのでしょうか。明治維新から始まった
    西洋に追い付け追い越せの流れと、日本の思い上がりが、ここまで暴走して
    しまった一因だっだのかなとも思います。
    人の命が軽んじられる時代、二度とあってはいけませんね。

本の感想は難しい~。覚え書きと思って書いています。
今読んでいるのは「永遠の0ゼロ」です。

何十年ぶりかの読書感想文 『横道世之介』

春らしい青空。世間はGW真っ最中ですね~。

高良健吾くん主演の映画 『横道世之介』、時間が合わなくて見ることができず
残念に思っていたら、Jさんのブログに原作を読んだ感想が書かれていました。
あっそうか。原作を読めばいいんだ。面白そう!さっそく買ってきました。

いつも、途中まで読んでほったらかしなのですが、この本はめずらしく完読したので
感想文を書いてみました^^; 高校時代以来です。その頃は、めんどくさいな~、
夏休みが終わってから、あわてて数ページの短編を読んで、しかたなしに提出して
いました。

 『横道世之介』 吉田修一 (文春文庫)

主人公のちょっと変わった名前が小説のタイトルです。東京の大学に進学するため、
長崎から上京してきた世之介(よのすけ)君の、4月から3月までの一年間のお話です。
1968年生まれ、長崎出身、法政大学経営学部卒の作者とほぼ同じ設定になっていて、
多分に作者の実体験がかかれているようにも思えますがどうなんでしょうね。
時代設定は、たぶん80年代後半?バブルに浮かれ初めた頃でしょうか。
その頃東京で学生生活を送っていた人なら、きっと一気に青春時代に戻って
しまうでしょう。

ちょっとノウテンキな世之介君、流れでサンバサークルに入ってしまったり、
年上の女性に恋心を抱いたり、友達の部屋に入り浸ったり…。どこにでも
いそうなお気楽な男の子です。12章の小説の合間に、彼と関わった人達の
十数年後の暮らしぶりと、彼のことをぼんやり思い出すと、なぜか温かい
気持ちになるというエピソードがはさまれます。

ひょんなことから、なんとなくお付き合いするようになったお嬢様育ちの祥子
ちゃんがとってもキュートで素敵です!おかかえ運転手付きの、一見世間知らずの
お嬢様ですが、実は思ったことは物おじせずに自分の気持ちに正直に行動できる
女性です。

長崎の世之介君の実家に遊びにいった夏の夜、二人は海でボートピープル(難民)の
人達が上陸してくるところに出くわします。その時の体験が、のほほんと過ごしてきた
生き方に大きく影響していったようで、後半、それぞれの歩んでいった道が描かれます。
最後、とても切ない終わり方をするのですが、胸に懐かしいような温かい気持ちが残りま
す。きっと、世之介君と祥子ちゃんの心の奥にある優しさが伝わってきたんでしょうね。              

※映画ではこの二人を高良健吾くんと吉高由里子ちゃんが演じていますが、
 思い描くイメージとはちょっと違いますね~。でも機会があったら見てみたいです!
 映画は小説とはまた別の作品、原作にはない別の面白さがあるでしょうね。
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(マメじゃないので時々更新です)

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